もしもの時の救命処置、いざという時に慌てずにできる自信はありますか?
私は何度か救命救急の講習を受けたことがありますが、「いざ、自分の子供に正しい救命処置ができるか」を考えた時とても不安になりました。
大人と同じ対応でいいのか?自分の知識は最新のものなのか?
きちんとした手順がわからないと不安ですよね。
しかし、段階を追って手順を確認すればきっともしもの時でも慌てずに最良を尽くすことができるはずです。
この記事は、小さな子供をもつ母親である自分が少しでも安心できるようにまとめました。同じような気持ちを抱えている方にも役立ててもらえたら嬉しいです。
【ご注意】一生懸命調べましたが、医療従事者ではないものがまとめたものだということはご理解ください。
誤りや表記に修正すべき点があった場合にはぜひご連絡いただけると幸いです。
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大人と子供での救命手順は違うのか?
2015年のガイドラインによれば、大人と子供(※)で救命措置をことさら分けることはなく、基本的には同じ手順での救命措置となります。
ただし、小さな子供の場合は胸部圧迫の位置ややり方が異なるのでしっかりと確認が必要です。
また、大人と比べて人工呼吸が非常に重要とされています。
※ここでいう子供とは0歳から思春期くらいまでをさしています。
小さな子供の場合は呼吸の問題で心停止になる場合が多い
成人の場合は、人工呼吸と胸部圧迫(心臓マッサージ)を組み合わせるよりも質の高い胸部圧迫が強調されています。
これに対し、子供の場合心停止の多くが呼吸の問題によるため人工呼吸がとても重要になってきます。
胸部圧迫(心臓マッサージ)が先か?人工呼吸が先か?
ガイドラインによれば現段階では胸部圧迫を先に行う、ということになっています。
ただし、人工呼吸の準備が出来次第ただちに人工呼吸を開始することが推奨されています。
具体的に説明すると、一般的な成人に対する心肺蘇生法は胸部圧迫を30回施し、その後人工呼吸を2回おこなうのが基本ですが、
子供の場合は胸部圧迫が30回完了するのを待たずに準備が出来次第人工呼吸を2回おこなうということになります。
基本的な救命措置の流れは大人も子供も変わらず、手順についても厳密に守らなければいけないルールがあるわけではないようです。
大切なのは、迅速に、何もしないより何かを処置すること。
ためらう暇があればすぐに行動することです。
それでは、実際の救命手順を確認していきましょう。
いざという時慌てない、親が必ず知っておくべき子供の救命手順
基本的な流れは大人子供共通で、以下の通りです。
- 反応の確認と緊急通報(119)
- 心停止の判断
- 心肺蘇生法の実施(胸部圧迫、人工呼吸)
- AED(電気ショック)
- 胸部圧迫、人工呼吸の再開(2分間)
※以降4.5の繰り返し
※胸部圧迫は強く早く絶え間無く行う
参照元:JRC(日本版) ガイドライン2015(2016最終確定版)
乳児(一歳未満)の心肺蘇生法
ここからは、一歳未満の乳児に対する救命措置の手順を具体的に詳しくみていきます。
1. 反応の確認をし、ただちに救急車を呼ぶ
1-1.反応の確認
乳児の場合は足の裏を叩いて刺激を与え、泣くなどの反応があるかを見るのも良いです。
呼びかけに対して目を開ける、泣く、応答すると言った反応がなければ救急車の手配へ進みます。
反応があるのかどうかわからない、迷った場合もすぐに通報を行います。
1-2.協力要請、救急車の手配
自分1人の場合はすぐに119番通報をして救急車を呼びます。
周りの人に頼める場合は119番通報とAEDがあれば用意をお願いします。
「誰か来てください!子供の様子がおかしいです!」
「あなたは救急車を呼んでください!」
「あなたはAEDを持ってきてください!」
「心肺蘇生出来る方は手伝ってください!」
また、救急の通報は複数あっても信憑性や情報量が増すので「誰か通報してるかも」とためらわずに通報して大丈夫とのことでした。
救急車への通報が先か心肺蘇生処置が先か?
乳幼児の場合先に1分間の心肺蘇生処置を行うとされてきましたが、訓練を受けていない救助者が電話で指導を受けられることや、高度な蘇生技術を持った救急隊員が一刻も早く到着できるように通報を優先して良いそうです。
迷って行動が遅れる方が問題なので、自分の中で手順を決めておくと良いかもしれません。
2. 脈はとらなくて良い!反応がなく、呼吸がない(おかしい)場合ただちに心肺蘇生法を開始する
心停止の判断ですが、素人が脈を正しくとるのは難しいため、呼吸で判断することが推奨されています。
このとき、呼吸の確認に10秒以上かけないようにしましょう。
呼吸の確認は以下の手順で行います。
2-1.気道確保する
頭を仰け反らせ顎先を引き上げる
または
両手で下顎を押し出して気道を確保します。
気道確保に手間取るようなら、省いてまずは呼吸の確認を行ってください。
気道確保に手間取って心肺蘇生が遅れないように注意しましょう。
2-2.呼吸の確認
口元に耳を近づけ息の流れを肌で、呼吸音を耳で、胸や腹の上下を目視で確認します。
3.乳児(1歳未満)の心臓マッサージと人工呼吸の方法
反応もなく、呼吸が正常という判断ができない場合は心停止と判断し、胸部圧迫を開始。準備が出来次第ただちに人工呼吸を開始します。
3-1. 乳児に対する人工呼吸
口を大きく開けて子供の鼻と口を覆い塞ぎ、胸が軽く上がる程度に静かに息を吹き込む(1秒×2回)
気道確保しながら、胸の膨らみかたを見て1秒から1.5秒くらいかけて静かにゆっくり息を吹き込みましょう。
これを2回繰り返します。
3-2.乳児の心臓マッサージ(胸部圧迫)
- 胸部圧迫の効果を最大限にするため、可能であれば硬いものの上に寝かせて行います。
- 位置
- 左右の乳頭を結んだ真ん中の、指一本ぶんくらい下
- 強さ
- 人差し指と中指の二本で、胸が体の1/3沈むくらいの強さ
- 速さと回数
- 1分間に100回〜120回のペースで30回圧迫します。
つよく、はやく、たえまなく、圧迫を緩める時は胸の位置が戻るまでしっかりと緩めます。
小児(1歳〜)の心肺蘇生法
1歳以上の小児の場合の救命処置も、乳児の場合と流れは同じです。
胸部圧迫(心臓マッサージ)の位置とやり方を中心に確認しましょう。
1. 反応の確認をし、ただちに救急車を呼ぶ
1-1.反応の確認
肩を叩いて呼びかけ、反応を確認する。
呼びかけに対して目を開ける、泣く、応答すると言った反応がなければ救急車の手配へ進みます。
反応があるのかどうかわからない、迷った場合もすぐに通報を行います。
1-2.協力要請、救急車の手配
自分1人の場合はすぐに119番通報をして救急車を呼びます。
周りの人に頼める場合は119番通報とAEDがあれば用意をお願いします。
「誰か来てください!子供の様子がおかしいです!」
「あなたは救急車を呼んでください!」
「あなたはAEDを持ってきてください!」
「心肺蘇生出来る方は手伝ってください!」
2. 反応がなく、呼吸がない(おかしい)場合ただちに心肺蘇生法を開始する
心停止の判断は乳児の場合と同様、素人が脈を正しくとるのは難しいため、呼吸で判断することが推奨されています。
このとき、呼吸の確認に10秒以上かけないようにしましょう。
呼吸の確認は以下の手順で行います。
2-1.気道確保する
頭を仰け反らせ顎先を引き上げる
または
両手で下顎を押し出して気道を確保します。
気道確保に手間取るようなら、省いてまずは呼吸の確認を行ってください。
2-2.呼吸の確認
口元に耳を近づけ息の流れを肌で、呼吸音を耳で、胸や腹の上下を目視で確認します。
3.小児(1歳〜)の心臓マッサージと人工呼吸の方法
反応もなく、呼吸が正常という判断ができない場合は心停止と判断し、胸部圧迫を開始。準備が出来次第ただちに人工呼吸を開始します。
3-1. 小児に対する人工呼吸
鼻をつまみ、自分の口を大きく開けて子どもの口を覆い塞ぎ、胸が軽く上がる程度に静かに息を吹き込む(1秒×2回)
気道確保しながら、胸の膨らみかたを見て1秒から1.5秒くらいかけて静かにゆっくり息を吹き込みましょう。
これを2回繰り返します。
3-2.小児(1歳〜)の心臓マッサージ(胸部圧迫)
- 胸部圧迫の効果を最大限にするため、可能であれば硬いものの上に寝かせて行います。
- 位置
- 胸の真ん中
- 強さ
- 片手または両手で、胸が体の1/3沈むくらいの強さ
- 速さと回数
- 1分間に100回〜120回のペースで30回圧迫します。
つよく、はやく、たえまなく、圧迫を緩める時は胸の位置が戻るまでしっかりと緩めます。
強くすると肋骨を骨折しないか心配
強すぎるのはもちろんよくありませんが、胸が体の1/3沈むくらいしっかりと圧迫することが大切です。
確かに肋骨を骨折することもありますが、肋骨骨折によって重篤な内臓損傷は少なく、心肺蘇生を行わなければ救命の可能性はないので、ある程度はやむを得ないことだと考えられます。
乳幼児に対するAEDの使用について
小さな子供にとっても、AEDの有効性は確認されています。
AEDが届いたらAEDの使用を優先します。
小児用パッド(6歳以下用)がない場合は成人用パッドを使って良い
乳児にAEDを使用する場合、小児用モード/キーあるいはエネルギー減衰機能付き小児用パッドがより有効で害がないそうですが、小児用パッドがない場合は躊躇せず成人用パッドを使用します。
電極パッドを貼る位置は、電極パッドに表示されていますので、絵のとおり貼ります。成人用パッドは大きいため重ならないように十分注意して代用します。
ためらわず、できることをただちにやることが大切
処置の正しい手順や、判断、色々とためらってしまい後手になるよりも、できることをすぐに行うことが緊急時には必要になってきます。
命に関わる1分1秒を争う状況では冷静に判断することが難しいかもしれません。
あまり考えたくないことではありますが、もしもの時の手順は定期的に確認してイメージを繰り返し、いざという時に少しでもスムーズに動けるように備えていきたいと思います。
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